いきなりですが、あなたは腹筋50回の消費カロリーって分かりますか?
そして、自分がやっている腹筋トレーニングの、消費カロリーを気にしたことがあるでしょうか?
もしかしたら、現時点で体脂肪率が多く太り気味の人は、腹筋トレーニングのやり方より消費カロリーの方が気になっているかもしれませんね。
確かに、消費カロリーが多いほど体内のエネルギーを消費するわけですから、腹筋を割る上では多い方が良いのは事実。
ただ、腹筋を割る目的において、腹筋トレーニングでの消費カロリーが重要かと言えば、さほど重要ではありません。
それでも気になる人はいると思いますし、トレーニングの消費カロリー計算方法は知っておいて損のないことですから、今回は詳しくお伝えしていきます。

腹筋50回の消費カロリーを計算

腹筋50回の消費カロリーを計算するためには、まずは基準値となる「METs」という値を知る必要があります。そしてその値を決まった式に当てはめて計算していきます。
METs(メッツ)とは?
METs(メッツ)とは「消費カロリーの基準値」です。
METsとはMetabolic Equivalentsの略で、直訳すると「代謝の(Metabolic)量(Equivalents)」という意味。
この数値は、安静時(横になったり座ったりして楽にしている状態)を1とした時と比較して、運動や活動を行った際に何倍のカロリーを必要とするかを示しています。
トレーニングとしての動作だけでなく、掃除や洗濯など日常生活のありとあらゆる動作について値が示されています。
腹筋トレーニングの場合、クランチ程度の軽いものなら「2.8」、シットアップやレッグレイズなど中程度の負荷なら「3.8」、マシンや腹筋ローラーを使った高負荷なものなら「8.0」とされています。
計算方法
腹筋トレーニングのMETsの値を使い、式に当てはめて腹筋50回の消費カロリーを計算してみます。計算式は以下。
消費カロリー(kcal)= METs × 体重(kg) × 時間(h) × 1.05
※METsには安静時の消費カロリーが含まれますから、運動のみの消費カロリーを計算する場合には、METsから「−1」をして計算してください。
ここで、腹筋を具体的に上体起こし(シットアップ)とし、体重70kgの人が50回を連続で行なった時に要する時間を4分間(ゆっくり目)と仮定すると、消費カロリーは以下のようになります。
(3.8 - 1) × 70 × 0.067 × 1.05 = 13.79(kcal)
この数値が多いか少ないかは個人的な感覚によるとは思いますが、私は率直に「少なっ!」と感じました。
ただ、高負荷になればMETsの値も大きくなりますから、それだけ消費カロリーも増えることになります。
腹筋を割るためのトレーニングで計算してみる

腹筋50回の消費カロリーが分かったところで、自分が普段行なっているトレーニングの消費カロリーも計算してみましょう。
腹筋を割るためには、高負荷で腹筋を大きく厚くするトレーニングを行いますし、種目やセット数も多くなるでしょうから、それだけ消費カロリーは上がるはずです。
高負荷だとMETsが上がる
腹筋トレーニングを高負荷でやった場合のMETsは「8.0」です。もし、70kgの人が高負荷なトレーニングを合計で10分間やるなら消費カロリーは以下となります。
(8.0 - 1) × 70 × 0.167 × 1.05 = 85.92(kcal)
腹筋50回と比べるとだいぶ多いという印象はありますが、これでご飯なら茶碗に1/3杯くらいです。やっぱり少ないですね。
ちなみに全身運動であり腹筋を割るためにも有効なスクワットはどの程度かというと、MTEsの値で「5.0」とされていますから、こちらも思いのほか少ないという印象です。
消費カロリーという点では、単純に動作がきついというよりは、自転車を思いっきり漕ぐような、より多くの酸素を必要とする運動が高い傾向にあるんですね。
まとめ

腹筋50回の消費カロリーは、おおよそで「14kcal」ですから、はっきり言って少ないです。
もちろん回数が少なくなればもっと消費カロリーも少なくなりますし、腹筋を大きくするために行う高負荷のトレーニングなら、その消費カロリーは80kcal以上にはなるでしょう。
ただ、もし腹筋のトレーニングによって脂肪を落とすような効果があるかを期待しているのなら、今回計算した消費カロリーの値が示すように、その効果は限りなく低いもの。
つまり、腹筋運動についての消費カロリーはそれほど気にする必要はないでしょう。
それでも、今回お伝えしたMETsとカロリー計算の方法は他のあらゆる運動にも使えますから、ぜひ頭の片隅に入れておいてください!